小さなクレームから大きなクレームまで、クレームの種類も多岐にわたりますが、クレームが起こる原因はたいていが信頼関係が築けていないからです。利用者やその家族とセットで信頼関係を築けていれば、大体のことはクレームにつながりません。介護の仕事は、人間が行うことで、100パーセントすべての出来事に、介護職が永久にミスすることなく、業務にあたることは不可能です。どこかで、必ず大なり小なりミスは起こります。その時に、利用者やその家族に許してもらえるかどうかは、日ごろの関係性ができているかどうかにかかっています。
利用者や家族からすれば、施設の事情や都合は関係ないわけです。関係性ができていない他人のことを、親身に考える人はそうそういないものです。関係性ができているからこそ、事情と都合を理解してもらえます。業務的な対応で、心のない接遇を繰り返していれば、いつまでたっても関係性を築くことはできません。それはいつか大きなクレームにつながり兼ねないわけです。
クレーム対応は、苦情窓口を担当している人だけの仕事ではなく、介護職として事業所で働き始めたら、それぞれの役割の中で、それぞれが対応していかなくてはなりません。多職種で連携できていれば、クレームはそう大きくなりませんし、そもそもクレームが起きにくい体制が整っていることがほとんどです。どのように対応し、予防するのか介護職のクレームについて考えておく必要があります。