クレーム初期対応は介護職員の限定的謝罪から

クレーム対応のポイントは、きちんとした手順を踏んでいくことです。クレームを受けた介護職員が、そのまま慌てて対応してしまうと問題がより深刻になってしまうこともあるからです。たとえば、自分がしたことが原因でなくても、クレーム対応するときには、介護事業所を背負っているぐらいの気持ちで、自分の個人的な感情は出さずに、誠実で丁寧な対応をすることが重要です。たとえば、自分は担当者ではない、自分がしたわけではないと利用者に伝えることは、組織に対しても不信感や不快感を生んでしまいます。最初に対応する介護職員の言動が、次に影響するので注意が必要です。
また、初期対応では、利用者やその家族を不快な気持ちにさせてしまったことに限定して謝罪することが大事です。ただ謝罪をするのではなく、相手の不快な気持ちを受容して共感し、担当者として適切に対応したいという自分の気持ちを伝えることが重要です。謝罪の言葉を繰り返すのではなく、相手の、不快、不便、期待に添えなかったことに対して謝罪するのがポイントです。相手の怒りの感情を、これ以上増加させないように、丁寧な言葉遣いや態度で接することが大切です。クレームを受けたときは、まずこのような限定的謝罪からスタートし、その後、クレームの中身について相手の話をしっかりときいていくことが大事になります。そして、すべての責任がこちらにあると受け取られてしまうので、いきなり、相手の主張をすべて認める前面謝罪を最初にしないことが非常に重要です。